写真が好きなあなたは、「撮り鉄」に目覚めるかも？　鉄道の勇姿を写真に収めるためなら、日本全国どこへでも、野を越え山越え谷越えて駆けつける。あなたにも、そんな撮り鉄の情熱とバイタリティーを感じます。撮り鉄の必須の装備は、プロ仕様の高価なカメラと、広角から望遠まで一通り揃えたレンズ。さらに、宿のないような僻地でも撮影するため、車中泊ができるようにカスタマイズしたマイカーです。これらに加え、カメラのブレをおさえて撮影するために必要な三脚、ハイアングル撮影のパートナーである脚立など、用意しておくべきアイテムはさまざま。ハマればハマるほど「撮影の相棒」が欲しくなる金食い虫的な趣味が撮り鉄なのです。もし、あなたが撮り鉄に目覚めた暁には、「わざわざ自分で撮影しなくても、プロが撮った写真集を見ればいいのでは？」などという一般人が持つくだらない疑問など吹き飛ばしてしまうでしょう。

電車に乗ることが苦にならず、むしろ喜びを感じるあなたは「乗り鉄」の素養があります。車窓に広がる広大な田園風景に感動するいっぽうで、都心の風景の中にも小さな新発見をして喜ぶ。何でもない景色から極上の幸せを得られる、とても感性の豊かな人だと思います。また、乗り鉄は、すべての鉄オタの基礎であるともいえます。乗り鉄が高じると、すべての路線に乗ることを目指す「路線鉄」になったり、すべての駅で下りることを目的とする「駅鉄」になったりと、さまざまなクラスチェンジの可能性が開けます。鉄道の美しさの虜になり、「撮り鉄」へとジョブチェンジすることもあるでしょう。いずれにしても、あなたの人生の鉄分がたっぷり補給され、豊かな毎日を送れることは確かでしょう。ただ時間もお金もたっぷりかかるので、ハマりすぎにはご注意を！

駅のホームに鳴り響く発車音にうっとりし、車内にただようインバーターの音にひたっていると至上の幸福を感じる…。あなたには、そんな「音鉄」の素養があります。まさか自分が、鉄道の音なんかにはまる訳がない。そう思っているかもしれませんが、車掌さんの「ダァシマリマス（ドア閉まります）」といったユニークなアナウンスに、クスッとしたことはありませんか？　そんな些細な興味が音鉄への入り口になるのです。単に音を聞くだけではなく、それを自分の手元に残したいと思ってからが、音鉄の本領発揮。録音機材を小脇に抱え、全国を飛び回ることになるでしょう。近い将来、駅のスピーカーや車内の床にマイクを近づけ、耳をダンボにしながら音を録音している自分の姿に気付くかもしれませんよ？　

鉄道なんて興味がなかったのに、子どもが生まれてから自分も鉄オタになってしまったという人は意外と少なくありません。そんな人を、「ママ鉄」や「パパ鉄」といいます。子ども好きなあなたにお子さんができれば、きっと影響されて鉄道にはまること間違いなしです。子ども向けの絵本やおもちゃには、鉄道をモチーフにしたものがたくさんあります。鉄道の絵本を読んでほしいとせがまれて、何度も何度も繰り返し読んでいるうちに、いつの間にか鉄道に目を奪われるようになり、電車の模型を集めたり、珍しい車両を見ると写真を撮ったりして…、そんなふうに子どものおかげで趣味が広がるのはすばらしいことですね。鉄道好きな子ども、通称「子鉄」は子育てしやすいといいます。電車に乗るだけで満足して大騒ぎをせず、鉄道を描いた服や靴下を身につけるだけで超ごきげん。友人・知人に、子どもが子鉄だと知らせれば、みんながプライズの鉄道おもちゃやプラレルールをプレゼントしてくれます。家族の絆を深め、家計も助かる、まさに良いことずくめの趣味なのです！

列車の美しいフォルムに心惹かれるあなたは、「模型鉄」の素養があります。鉄道模型はさみしがり屋。日本を東西に横切る新幹線「のぞみ」を買ったら、南北を走る「はやぶさ」を仲間に呼ぶ…といった感じで、どんどん増殖します。当然、模型を走らせる線路も揃えたくなり、建物や自然などの背景模型などにも凝りたくなって……、あっという間に、あなたの住む家には鉄道模型部屋ができあがっていることでしょう。床に寝っ転がって、目の前を走る列車をうっとり眺める。う～ん、至福の時間ですね♪　もっと鉄道模型がほしい、もっとレイアウトを広げたい。だからお金を稼ごうと、仕事へのモチベーションも高まることでしょう！　ただし、お金と部屋の広さには限界があります。心のブレーキはお忘れなく！

あなたには収集癖があるのでは？　一度や二度は、切手や貨幣、プラモデルといったコレクションアイテムに心が惹かれたことがあると思います。そんなあなたには、鉄道に関するグッズを集める「グッズ鉄」の素養があります。鉄道関連のグッズ収集は奥が深い趣味。記念切手やICカードのように、一般人にも理解できるアイテムはまだまだ序の口です。ナンバープレートやサボ（電車の行き先表）などのかさばるアイテムから、食堂車で提供されていたコースターなど一見ゴミと思えるものまでが、グッズ鉄のコレクションの対象となります。夢中で集めているうちに、あっという間に部屋は鉄道グッズでいっぱいに。集めたアイテムを自慢するために、喫茶店やバーを開くことを夢見るグッズ鉄も多いそうですよ。

インターネットで電車の乗り継ぎを簡単に調べられる今の時代に、ニヤニヤと時刻表を眺める人がいれば、それは「時刻表鉄」です。いつも夢見がちで、想像力豊かなあなたも、きっと時刻表鉄の仲間入りができるでしょう。時刻表鉄は、計画通りに旅をすることに喜びを感じます。とても堅実な反面、融通が効かない部分もあり、ちょっと頑固な人が多いという印象でしょうか。時刻表鉄の醍醐味は、頭の中で自由に列車旅ができること。エキスパートになれば、「この駅での乗り継ぎには時間があるから、名物の蕎麦を食べよう」、「1分で乗り換えなきゃいけないから、ここはダッシュ！」など、自宅にいながら日本全国の旅を無料で満喫できるのです。ぜひ、歩く「駅すぱあと」といった段階まで、鉄レベルをアップさせてほしいものです。

食べることが大好きなあなたは、駅弁を求めて全国を巡る「駅弁鉄」の素養があります。南は鹿児島から北は北海道まで、全国のうまい駅弁を食べるために、せっせと電車で移動するのが駅弁鉄。地元の名物が盛りだくさんの駅弁を、美しい景色が広がる車窓を眺めながら味わう…、なんとも贅沢な時間ですよね。そんなシーンを想像するだけで、鉄道旅に出たくなります。駅弁鉄の楽しみは、食べ終わってからも続きます。弁当を包んでいた包装紙や箸袋などを持ち帰りファイリングすれば、いつでもあの美味を脳内で再現できます。至福の時間はエンドレス。これが、駅弁鉄の醍醐味です。乗って、食べて、収集して…駅弁鉄になれば、鉄道の魅力のすべてを堪能できますよ。